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INTERVIEW

2018/3/1

「くいしんぼうHIP HOP」DJみそしるとMCごはんインタビュー

omisohan01「おいしいものは人類の奇跡だ!」をモットーに料理の作り方をラップするDJみそしるとMCごはん。トラックからリリックやアートワーク、 ミュージックビデオまで全てを自ら制作し、料理と音楽の新たな楽しみ方を提案している。今、テレビやフェスにひっぱりだこの“おみそはん”にとっての「くいしんぼうHIP HOP」とは?

 

2013年のメジャーデビュー以降、様々な音楽フェスに出演を果たし、現在はNHKの番組出演や雑誌での連載など幅広く活動しているDJみそしるとMCごはん。料理のレシピをラップとして歌い上げ、聴いていると自然と体が揺れてしまう楽曲の数々。そして人柄がにじみ出るような柔らかい雰囲気で多くのファンに愛されている。そんなこれからの活躍に期待が集まる彼女に、ニューアルバム『コメニケーション』の制作秘話やこれまでの活動、さらに「料理ラップ」について語ってもらった。

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いろんなひととの「コメニケーション」

——ニューアルバム『コメニケーション』のリリースおめでとうございます!早速聴かせていただきましたが、聴いていると白いご飯が食べたくなるようなアルバムでした(笑)。

ありがとうございます! 食べたくなりましたか!? 良かったです!(笑)。

——今作を制作するにあたって大事にしたことや、注目してもらいたいと思ったところは何ですか?

今回のアルバムのタイトルにもあるように、「コメニケーション」――これをテーマに一枚作りました。8曲入っていて、全て「お米」がテーマになっています。1人で食べるご飯も美味しいけど、やっぱり誰かと一緒に食べたほうが美味しいよね、っていう。そこから広がる「コメニケーション(※米+コミュニケーション)」です。8曲全てについている「r.t.m.」は「rice to meet」の略なんです。「nice to meet you」みたいな感じで、私が様々なアーティスト=「ご飯のお供たち」と出会って、美味しいご飯の曲を作るというイメージで作りました。

——今作に入っている楽曲の中では「恋はコメ色 r.t.m. Homecomings」が一番印象に残りました。歌詞に日本全国のお米の名前を入れるというアイデアが面白いと思ったのですが、作詞はどのように考えたのですか?

お米の銘柄とにらめっこしながら作りました(笑)。お米って最初は真っ白で、その上に色々なご飯のお供を乗っけることによってどんな色にも染まっていく。そのピュアな感じが初恋に似ているなと思ってこの曲を作りました。

——なるほど。

それで、歌詞をどうしようか悩んでお米のことを調べていたら、お米の銘柄にたどり着きまして。お米の銘柄ってとっても可愛らしいなと思って。パッと聴いたら初恋の曲だけど、歌詞を見たらお米の名前がたくさん隠れていたら面白いな、というアイデアが浮かんで作りました。

——歌詞に入っているお米の中で食べたことのあるお米はありますか?

ゆめぴりかとかななつぼしは食べたことありますね。でも、まだまだ食べたことがないものもあるので、いつか食べてみたいなと思っています。

——今作は3枚目のオリジナルアルバムになるわけですが、制作する過程で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

春に田植えをして、アルバムと共にお米を育てていました。一曲目の“ライスマイル”は、実は象印さんの「ライスマイルプロジェクト(※ご飯でたくさんの笑顔を作るプロジェクト)」という企画に私が参加して、一年間一緒に活動していくということが決まって作った曲なんです。そのプロジェクトで実際に田植えをして、秋に収穫をしてご飯の炊き方を習ったりしていく中で、お米の曲作り以外にもお米との「コメニケーション」が取れたのは大きかったなと思います。レコード会社のスタッフの皆さんと一緒に泥んこになりながら楽しんでできました(笑)。

——このアルバムの完成と収穫がかかっている感じですか?

そうですね! 美味しい新米と共にこのアルバムを耳で味わってほしいなと思います。

 

料理ラップのきっかけ

——今のDJみそしるとMCごはんを始めるきっかけとなった大学の卒業研究では“ピーマンの肉詰め”を作られたと聞きましたが、初めて曲を作ってみたときはどうでしたか?

研究を発表するためには作った曲をみんなに聴いてもらわなくちゃいけないんですが、最初に出来たときは誰にも聴かせたくないという感じでした。ラップをするのもパソコンで音楽を作るのも初めてだったので、未知のものが出来てしまったなと。でも、実際にみんなに聴いてもらえて、すごく面白いねと言ってもらえたので、とても安心しました。

——ラップを考える際に一番大事にしているのはどんなことですか?

世の中には素敵な曲がたくさんあって、そういうのを聴いちゃうと真似したくなったり、「私にはこんないい曲は書けない……」とかすぐ思っちゃうんです。だけどそうじゃなくて、歌詞を書くときには自分が普段考えていることや感じたことと向き合って、自分の言葉で書くことが一番大切。そうじゃないと聴く人にも伝わらないし、偽物っぽいってばれちゃうので、ちゃんと自分の言葉で書こうといつも思ってます。

——ちなみに、憧れているアーティストや、この道に入るきっかけとなった方は誰かいますか?

きっかけになった方はスチャダラパーさんですね。子供番組でスチャダラパーさんのBoseさんがMCで出ていて、よく流れていた「GET UP AND DANCE」という曲を聴いたのがヒップホップとの出会いでした。スチャダラパーさんの音楽は、“ゆるさ”と“カッコよさ”が同居している日本語ラップで、3人のキャラクター含めて大好きなんです。それプラス、Boseさんのタレント性もすごく好きで。子供のときに憧れていたBoseさんの影響を受けて大人になって、自分もそういう番組である『ごちそんぐDJ』に出られているっていうのは、とっても嬉しい。「女Boseさん」みたいな存在になりたいなと思っています!

——今回のSHINCOさんとの楽曲「わたし、ごはん r.t.m. SHINCO(スチャダラパー)」の制作はいかがでしたか?

以前も一緒に作らせていただいたことはあるのですが(※『ジャスタジスイ』収録曲「あの素晴らしい味をもう一度」)、今回はSHINCOさんもレコーディングに立ち会ってくださって、前回よりもたくさんやりとりをしました。SHINCOさんの曲は聴けば聴くほどハマっていく魅力のあるトラックだなと思っていて、そこに自分がリクエストしてラップを乗せられるっていうのがめちゃくちゃ嬉しかったです。今回はSHINCOさんにも無茶なお願いをして、「トラックに変化をつけて、段々最後になっていくごとに豪華にしてほしい!」ってお願いしたら、気合いを入れて作ってくださって。私も今まで聴いたことのないSHINCOさんのトラックだったので嬉しかったです。最後のコーラスの部分を全部自分の声でレコーディングしたんですけど、ものすごい集中して録っていたので、終わった後にSHINCOさんが褒めてくださって、それも嬉しかったですね。

——そうなんですね。ちなみに、今まで作ってきた曲の中で一番思い入れのある曲はどの曲ですか?

今回の『コメニケーション』に入っている米米CLUBさんとの「どんまい」という曲ですね。米米CLUBさんとは実際にお会いしてはいないのですが、まるで高級食材のような(原曲の「どんまい」の)データをもらって、普段使っている道具で料理をして(=切ったりくっつけたり)、そこに自分のラップを乗せました。出来上がったものはとても豪華な曲になりまして、カールスモーキー石井さんも気にいって聴いてくださっているようで、とっても嬉しかったです。

——ちなみに、この「どんまい」を選んだ理由は何ですか?

この曲を聴いたときに、カールスモーキー石井さんの“どんまい”という声が“丼美味い”に聴こえたんですね。別に原曲はどんぶりご飯について歌っているわけじゃないんですけど、この「どんまい」からは、泣きながらどんぶりを食べて「明日も頑張る!」みたいな絵が浮かんできて、この曲と一緒にやりたいなって思ったんです。

——米米CLUBさんといえば、「KOME KOME WAR」とコラボしても面白そうですよね(笑)。

そうそう(笑)。米米CLUBさんの代表曲はたくさんあるんですけど、私にはこの「どんまい」がヒットしました。

——「KOME KOME WAR」だと「コメニケーション」とケンカしちゃいますしね(笑)。

そうなんですよ。戦いになっちゃう。

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音楽以外でのファンとの触れ合い

——ご自身で作詞作曲をされていて、どんなときにアイデアが浮かんできますか?

いろんなパターンがありますね。私はバスが好きでよく利用しているんですが、そのときにiPhoneを使って作詞作曲しています。あとは、外を歩いているときやお風呂に入っているときですかね。「リラックスするぞ!」って決めて、身体を休めているときにアイデアが浮かびますね(笑)。

——料理しながら考えたりもしますか?

そうですね。ただ、料理を作っているときは料理に集中しちゃって無心になる時間かもしれないです。自分が本当に好きなことだから、趣味に集中しているときって考えごとしないじゃないですか? それと一緒で、逆にバスとか電車とか乗り物に乗っているときに料理しているときのことを思い出したり、誰かと食べた食事のことを思い出したりしながら作詞作曲してます。

——2013年に「カタチラボ(※香川県の小豆島にある旧山吉醤油母屋で開催)」でおまんじゅうを作ってもらうイベントを開催されました。普段の音楽活動とはまた違った体験だったと思うのですが、開催してみていかがでしたか?

みんなで喋りながらおまんじゅうを作って、蒸してる間に歌ってという感じでやっていました。その場に来たら誰もが親戚、みたいな雰囲気のライブでしたね。最初は緊張感があるんですけど、実際にそこで初めて会った人と料理をしているうちに自然と仲良くなっていました。

——他にも様々なワークショップなどやられていますが、子供達の反応はどのような感じですか?

ライブでよくやっている「食いモンドウ」という曲があるんですけど、苦手な食べ物をその場にいるお客さんに聞いて、その場で解決していくんです。それを子供達とやると予想外な言葉とか的確な言葉が飛んできたりして、自分の曲作りも自由に柔軟にやろうという気持ちになりますね。

——ところで先日、『タモリ倶楽部』に出演されているのを拝見したのですが、いかがでしたか?

タモリさんに会えてとにかく嬉しかったです(笑)。私が作った「サモサ(インド料理)」をとても褒めてくださって良かったです。

——タモリさんとの会話で印象に残っていることはありますか?

タモリさんが静岡にあるお好み焼き屋さんを経営していて、高校時代にバンドを組んでいたメンバーがそこでバイトをしていたんです。それで土日になるとタモリさんがカレーを仕込みにくるという話を聞いていて。その話をしたら「よく知ってるね」と言われて、それが印象に残ってます。

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料理ラップは私自身

——おみそはんさんにとっての料理ラップとはどのようなものですか?

私にとって料理ラップとは、私自身ですかね。私そのもの。DJみそしるとMCごはんの“くいしんぼうHIP HOP”は、私の大好きなものを掛け合わせて生まれたものなんです。子供のときから楽器を演奏するのが好きで、打楽器をやったりエレクトーンをやったりしていました。それと、大学で料理について勉強するくらい食べることも好きだったんです。だから、料理ラップは私そのものなんです。天職とまではいかないですけど、私にはこれが合っているんだなって思います。今はこれしかないです。

——いわゆるピアノで弾き語りみたいなことはしたことないんですか?

いや、私は歌が全然上手じゃないので弾き語りは経験がないですね。あと、人前に出るのが苦手で。バンドを組んだとしてもドラムで、吹奏楽部でも打楽器で、いつも後ろに隠れていました(笑)。小さい頃もエレクトーンの発表会とかでは緊張で足がガクガクしちゃって、毎回間違っちゃうような感じでした(笑)。DJみそしるとMCごはんになってから、ようやく人前にたくさん出るようになりました。

——じゃあ、最初にラップした時も足がガクガクだったんですか?

ガクガクでしたね。「もう、どうにでもなれ!」って感じでした(笑)。ただ、キャップを被ると、それがスイッチとなって人が変わるみたいです。こないだも、いつもライブのサポートをしてくれるスタッフの方から「おみそはんはステージに乗ると人が変わる。カッコよくなるね」と言っていただいて嬉しかったです(笑)。もう、キャップを被れば「MCごはん」なので。

——ライブではいつもキャップを被っていますが、ファッションのポイントはなんですか?

普段キャップを被らないとあまりラッパーに見えないんです。だから少しでもラッパーに見えるようにと思って、欠かさずキャップを被っています。

——キャップはアルファベットのロゴが入っているものをチョイスされていますが、見つけてビビッときたものを選んでいるんですか?

そうですね。なんとなく曲とリンクするような頭文字や色とかを選んで被っていますね。入場者におまんじゅうを作ってもらうライブを開催したときはおまんじゅうの「O」と入ったものを被ったり、柿の歌を歌ったりしたときは柿のロゴが入ったキャップを被ったりしていました。今は自分のオリジナルのデザインで「MG」と入っているものを被っています。

——ありがとうございます! では最後に、2018年の目標をお聞かせください。

2018年も健康で頑張る(笑)。まだ具体的なことは決まっていませんが、周りのみなさんのおかげでDJみそしるとMCごはんをここまで続けられたので、みなさんに恩返しをできるような活動をしたいです。そして初心を忘れずに曲を作って、恩返しできたらいいなって思っています。あとは5周年を迎えるので、「ゴ」づくしの何かやりたいですね(笑)。ごぼう、ごはん、五目なんとか……もう出てこない(笑)。とにかく、「コメニケーション」をより強化して活動していきたいです!

——2020年には東京オリンピックが開催されますよね。それにむけて何か考えていることはありますか?

うーん、そうですね……選手村で定食屋を開きたいです! 私の作った料理を選手の皆さんに食べてもらいたいです。

——外国語での料理ラップや、世界各地の料理レシピの歌を作っても面白そうですよね。

それ、面白いですね! やってみたいです! 私としては、オリンピックは自分とは縁のないものだと思っていたので、そういった形で何か貢献できたら嬉しいですね。

 

 

PROFILE

DJみそしるとMCごはん

「おいしいものは人類の奇跡だ!」をモットーに、トラック、リリック、アートワーク、ミュージックビデオなど全てを自ら制作し、料理と音楽の新たな楽しみ方を提案する、超自家製ラッパー。2013年冬、メジャーデビュー以降大型フェスに次々と名を連ねる。さらに2014年春には、NHK Eテレにて“音楽×料理”番組『ごちそんぐDJ』を放送し、お茶の間デビュー。通常のライブの他、来場者にオリジナルの「おまんじゅう」を作ってもらうイベントや、オルタナティブな「白和え」を作ってもらうパーティーも主催。好奇心の趣くまま、ジャンルを自由に横断する様は、くいしんぼうの面目躍如。2017年10月25日に1年4ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム『コメニケーション』を発売。

 

OFFICIAL

http://misosiru.jp/

 

NEW RELEASE

omisohan05

3rdアルバム

「コメニケーション」

[初回生産限定盤]CD+DVD

¥2,778+税

KSCL-2972 ~ 2973

omisohan06

3rdアルバム

「コメニケーション」

[通常盤]CD

¥2,315+税

KSCL-2974

 

RELEASE

omisohan07

DVD

「ごちそんぐDJ Vol.2」

[初回生産限定盤]

DVD+6色クーピー

¥3,611+税

KSBL-6291 ~6292

1bKSBL6293_KK1A_O_prep.pdf

DVD

「ごちそんぐDJ Vol.2」

[通常盤]

DVD

¥2,407+税

KSBL-6293

 

NEWS

アニメ「衛宮さんちの今日のごはん」のオープニングテーマに、DJみそしるとMCごはんの『エプロンボーイ』が決定!

『エプロンボーイ』のアニメサイズver.は、2月1日より配信開始!

<「アニメ「衛宮さんちの今日のごはん」最新話>

・AbemaTV:2月1日(木)21時より毎月1日に先行配信

http://emiya-gohan.com/


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