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INTERVIEW

2019/3/11

「聴いてくれた人の心を癒す歌」 佐々木恵梨 インタヴュー

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昨年10月に4枚目となるシングル『遥かなる旅』をリリース。癒しの歌声を持つ”ヒーラーソングライター”佐々木恵梨が生み出す「生きづらさに寄り添う歌」とは?

 

自ら作詞作曲を手がけ、Irisや10神ACTORなど様々なアーティストに楽曲提供も行うシンガーソングライター、佐々木恵梨。4枚目となるニューシングル『遥かなる旅』のリリースに続き、昨年11月には、ED曲を担当したアニメ『ゆるキャン△』のモデルにもなった廃校で開催された「秘密結社ブランケット音楽祭」に出演。そんな多方面で活躍している彼女に、音楽制作の秘話や、“ヒーラーソングライター”になったきっかけ、これからの展望について語ってもらった。

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6年の時を経て届けられた「遥かなる旅」

——4th single『遥かなる旅』を10月31日にリリースされました。(※取材は昨年)。収録時に印象に残ったこと、大変だったことを教えていただけますか?

曲自体は6年前に作っていたものなんです。『BAKUMATSU』というアニメのED用の楽曲を依頼されて、キレイめなバラードを何曲か作って提案したところ、一緒に送った「遥かなる旅」が採用されたんです。

——6年前に作っていたということですが、最初からこういう曲にしようと決めて作ったんですか?

元々、作詞作曲家として活動し始めたので、初めは他のアーティストさんに歌ってもらいたいなと思って作った曲なんです。でも、お蔵入りというか、ずっと出せずにいたんですけど、それが今回ハマったという形です。「遥かなる旅」というタイトルは6年前のものなんですけど、歌詞は『BAKUMATSU』の世界観に合うように書き換えています。作品の登場人物それぞれの強い意志を歌詞に反映させました。

——そうなんですね。

今回、作詞作曲と併せて編曲をやらせていただいていて。ストリングスやメロディーラインは当時のものを少し残しつつ、あとの作業はスタッッフに教えてもらいながら完成させました。全部生で収録していて、ディレクションとかも一人でやって大変ではあったんですけど、楽しかったですね。ただ、そもそも自分が歌うと思って書いてなかったので、音域が結構広くて歌うのが難しい曲でした(笑)。

——「遥かなる旅」の注目してほしい部分を教えてください。

サビで転調するところですね。あと、“取り戻そう 真の私を”っていう歌詞が2回ほど出てくるんですけど、そこが一番伝えたいメッセージかなって思います。曲を作った6年前から変わっていない部分でもあるので。

——「遥かなる旅」のMVを拝見させていただいたのですが、照明を使った演出が幻想的で素敵でした。

MVは宇都宮大学の講堂を借りて夜に撮ったんですけど、柱にかかってる日時計ってあるじゃないですか。太陽が動くことで影ができて時間がわかるっていう。『BAKUMATSU』はタイムトラベリングの要素もあるので、“時”っていうのがすごく重要なキーワードになってるんです。それを頭に入れつつ、監督の方が一緒に考えてくださったのが、私が柱のところに立って、窓の外からクレーンの照明を太陽みたいに動かすと、光が当たって私の影も日時計みたいに動くっていう演出で。それが一番印象に残っていて、こだわっているところです。

——「遥かなる旅」と一緒に収録されているカップリング曲についても教えていただけますか?

「Part of Me」は、『BAKUMATSU』のもうひとつの特殊エンディング曲になっていて。主人公が亡き師を想って意志を継ごうとしているんですけど、そこから“今会えない人への気持ち”をテーマに京都を舞台にして作りました。2曲目の「Fireworks」と4曲目の「TIME AFTER TIME」は、どっちも“BAKUMATSU”というキーワードを得てから日本をテーマに書いた曲です。最近海外でライヴをすることが多くて、行くたびに「日本ってすごい狭い世界だったんだなあ」って思うんですけど、それと同時に「日本っていい国だなあ」って。そういう想いもあって、『BAKUMATSU』の要素も入れつつ作った曲です。

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洋楽からアニソンへ

——佐々木さんがシンガーソングライターになったきっかけを教えてください。

大学の時に軽音サークルで作曲を始めて、趣味でオリジナルのバンドを組んでたりしていました。ただ、最初は作詞作曲家として事務所に入って、そのあとオーディションに出てデビューしたっていう感じなので、いつから(シンガーソングライターに)なったのかはよくわからないです(笑)。

——大学時代にバンド活動をされていた頃とは音楽性も変わられたと思うのですが、その違いに戸惑うことはなかったですか?

ありましたね。まず、大学時代に洋楽ばっかり聴いていて英語の曲を歌っていたので、日本語の曲を歌うのが難しかったです。特にアニソンって毎回歌詞が難しいし、キーが高くてテンポの早い曲もあったりするので、慣れるのにかなりかかりましたね。

——葛藤みたいなものもありましたか?

それはいまだにありますね。でも最近やっと自分でアニソンの作詞作曲ができるようになったので、自分で歌える曲もそれで頑張ってできるようになってよかったです(笑)。

——アニメ『プラスティックメモリーズ』の主題歌である「Ring of Fortune」の「忘れないでおぼえていて いつかまた巡り会える日まで ずっと」という歌詞がとても好きなのですが、この曲に対する想いを教えてください。

オーディションを受けた時に歌った曲で、デビュー曲なのでキーも高かったりして、いまだに難しい曲です。歌う時もすごく緊張するんですけど、思い出深い1曲です。

——作曲をする際に大事にしていることはなんですか?

そのときによりますね。「こんな感じで作曲してください」ってオーダーがあるときはもちろんその通りに作るんですけど、最近は「いいものを作ったらいい」って思っていて。だから、あんまり考えすぎないっていうのを大事にしてます。

——『アイドルマスター』シリーズのテーマソングをはじめ、様々な楽曲に詩を提供していますが、作詞はどのように浮かんできますか?

1つ何かテーマを決めてからだと書きやすいです。でも最近はあんまり考えずに、わりとその場で浮かんだフレーズがそのまま採用されることが多いです(笑)。たとえばAメロから考えるんじゃなくて、サビが浮かんだらサビからとかBメロからとか、浮かんだところから決めている感じです。

——「Period」(※1stアルバム『Period』収録)のリリックビデオのイラストがとても好きなのですが、どのような想いを込めて作られましたか?

生きづらい人へ向けたメッセージを歌詞にも絵にも詰めた曲です。絵を全部自分で1コマ1コマ描いて、それを自宅の机に並べて撮りました。朝までずーっと手ブレしないように撮ってました。

——絵は全部で何枚描かれたんですか?

何枚だろう……100枚くらいだとは思います。

——大変な作業だったんですね。

絵を描くのが一番大変でしたね(笑)。撮影の最後のあたりは寝落ちしそうでした。

——絵は昔から描いていたんですか?

絵は趣味で描いていたり、あとは小学校の時に近所の図工教室に通ってました。

——佐々木さんは「ヒーラーソングライター」としても活動されていますが、その際に心がけていることはなんですか?

自分に集中するのが大事なので、何も考えずに歌ってます。

——「ヒーラーソングライター」を始めたきっかけはなんですか?

決まった歌詞やメロディで歌うのって、私の中ではヴァイオリンの発表会みたいなところがあって。もっと自由にその場でやるほうが、ライヴをする時に楽なんです。私の声には「癒しの周波数」があるみたいで――実際に機械で測ってみたことがあるんですけど、みんなも私が即興でわーって歌うと泣いてくれたり、リラックスしてくれるんですね。それでその話を友人にしたら、「それ才能だよ」って言われて。「あ、才能やったんや」って思って(笑)。やってみたら結構評判がよくて、よかったなって思いました。今はヨガ教室を開いてる友人のところにいって、その場で歌ったりもしています。

生きづらさを癒したい

——11月3日に開かれる「秘密結社ブランケット音楽祭」についても教えてください。

マンドリンを初めてやります! ヴァイオリンを昔やっていたんですけど、マンドリンは指使いが結構難しくて、いまがっつり練習頑張ってます。

——かなり難しい楽器なんですか?

そうですね。指とかフレットがあるのがちょっと慣れていないのと、ピッキングがやっぱ難しいですね。

——どうしてマンドリンを演奏することになったんですか?

オーケストラのようなことをするのに、楽器の分担が大変で手分けして演奏しようということになって。それでマンドリンが空いていたので「やりたいやりたい!」って言ったら、やらせてもらえることになったんです。完全にアコースティック・ライヴなので、歌を歌ったりギターを弾いたりもします。しかも、アニメ『ゆるキャン△』のロケ地になった廃校でやるので、フェスみたいな感じで出店かもあって、キャンプファイヤーとかもやろうって話になってます。

——普段とは違うスタイルでやるという感じですか?

そうです! 初めてお会いする方とかもいるので楽しみです。

——新しく挑戦したいこと、今後の目標を教えてください。

去年ミュージカルの音楽監督(※『天の河伝説』)をやってみて、それが大変だったけど楽しかったので、またそういう系のお仕事もしてみたいですね。あと、今度また海外に行くんですけど、世界を見て回りたいです。英語が喋れるようになりたいなっていうのもあります(笑)。

——佐々木さんにとっての音楽とは?

難しいですね(笑)。自然みたいな感じですかね。いつもそこにあるみたいな。

——自分の音楽を通じて誰かの気持ちを癒したい、心を軽くしてあげたいっていう想いもありますか?

カウンセリングとかもやったりしているので、やっぱりその気持ちはありますね。

——カウンセリングをしようと思ったきっかけはなんですか?

自分が生きづらいなと思っていたからですかね。そこから独学で勉強して、今に至るっていう感じです。

——佐々木さん自身を癒してくれた音楽はありますか?

クリスティーナ・アギレラの「The Voice Within」を落ち込んだ時に聴いています。歌詞がすごくいいんです! 本だと、今仲良くさせていただいているカウンセラーさんで心屋仁之助さんという方がいて、歌ってもいてミュージシャン魂がある人なんですけど、この人の本がすごくいいです。

——最後に、ミュージシャンを目指しているTSM渋谷の生徒に一言お願いします。

先輩とか先生に「こうした方がいい」って言われたことよりも、自分のセンスを信じてください! 自分らしさを大事に頑張ってください。

Text/Design:甲州美夕

PROFILE

佐々木恵梨(ささきえり)

1989年福岡県出身。幼少時よりクラシックヴァイオリンとピアノを学び、 京都大学総合人間学部にて心理学・美学を専攻する傍ら、軽音楽サークルでのバンド結成をきっかけに本格的な音楽活動をスタート。大学卒業後は作詞・作曲家としての活動を軸に、ボーカリストとして歌唱・コーラスも数多くこなす。透明感と憂いのある歌声が評価され、TVアニメ『プラスティック・メモリーズ』主題歌歌手として抜擢、以降作家&アーティストとして幅広く活動中。昨年10月には4枚目となるシングル『遥かなる旅』をリリース。

OFFICIAL

http://erisasaki.net/

RELEASE

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4thシングル 「遥かなる旅」

[アニメ盤]CD ¥2,000(税抜) USSW-0134

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4thシングル 「遥かなる旅」

[通常盤]CD ¥1,700(税抜) USSW-0135

© FURYUBAKUMATSU製作委員会


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