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LIVE REPORT

2013/8/6

『下北沢に宿した、生命の息吹』yu-yuライブレポート

 

京都在住の歌手yu-yuの久しぶりのライブ行脚、今日はここ下北沢LOFTにて行われた。yu-yu自身、しばらく制作活動に着手していたため、近頃はライブ活動を行っていなかったのだが、ファンによる熱い要望によってライブ再始動が実現したのだ。昔懐かしのロック喫茶のような下北沢LOFTには、yu-yuの歌声を聴きたいというファンが多く詰めかけていた。フロアの静寂が高まるに連れて、期待感に包まれる。やがてSEが流れ始め、いよいよyu-yuの登場である。颯爽とステージに現れる姿は、草原を歩く少女のようで美しい。そして一曲目に歌い始めたのは「Always」である。息を深く吸い込み、澄んだ瞳で観客に歌声を届けている。神秘的な雰囲気のなかで、祈りを捧ぐような姿に思わずうっとりときてしまう。

 

”こんばんは。yu-yuといいます。今日はようこそLOFTにお越し下さいました”と京都のはんなりとした口調に語り始めるyu-yu。”一曲目に歌った「Always」という曲は私のデビュー曲でもあり、原点の曲でもあって。しばらくライブ活動ができなかったこともあって、こうして皆さんの前で歌う事で原点に立ち返る、という意味を込めてこの曲を一曲目にしました”とyu-yuは感謝と決意を滲ませながら語るのであった。「君とずっと・・・」ではリズミカルな曲調に乗りながら、抑揚の効いたビブラートを響かせる。風に身を委ねるように揺れ動き、手を観客に伸ばしながらしっとりと歌う。”思いはひとつ”というフレーズが、待ちに待ったyu-yuのライブ空間を特別なものにしていった。歌う姿を観ていて思ったのが、yu-yuの歌声は安定している。それは歌手として当たり前のことかもしれないが、ここで言いたいのは歌うときの表現力が非常に安定しているということだ。声の調子がまったくブレないわけではなく、歌詞の心情に合わせて声が揺れ動いていく。その曲の世界観が相手に伝わりやすいように、歌声を変化させているのだ。もちろんファルセット(裏声)や高音パートの歌声が安定しているところに、yu-yuのアーティストとしての洗練さが際立っている。

 

「ほっこりタイム」と題して、yu-yuの姪との仲睦まじいエピソードが語られる。ゆるゆるなトークとリラックスした空間は、夢見心地のような時間だった。「風のとびら」では心が躍るようなファンタジーの雰囲気のなかで”おおきに”と口ずさみ、親しみのある微笑みを浮かべているのが印象的だった。JUJUのカバー曲「やさしさで溢れるように」では時にしっとりと、時にダイナミズムに表現する”静”と”動”のコントラストが歌に生命力を宿していく。

 

“yu-yuは今、制作の真っ只中なんですが一曲が出来上がるのに、本当にたくさんの人が魂を吹き込んでくれて。いろんな人に出会いながら一つの楽曲が出来上がっていくということを、ひしひしと感じています。制作を通して、新たな夢ができました。いつかオーケストラと一緒にライブをして色んなところをまわりたいです”と嬉しい決意表明。”二度と会えない人に一途な想いを綴った曲”と語って歌われた「永遠」は短い曲ながらも、静謐なピアノの調べから壮大なストリングスの旋律へと連なる展開が素晴らしかった。

 

“今日皆さんから貰ったパワーは必ず次の作品に反映します。それでは最後にyu-yuからこの曲を贈ります。一緒に過ごした仲間はどこにいても繋がっていることを歌った曲です”そう語りながら「絆の歌」を歌い始めた。力強い歌声と優しく慈愛に満ちたyu-yuの包容力が、観客ひとり一人を魅了していく。歌い終わったと同時に、深くおじぎをしながらステージを後にしていき、観客からは惜しみない拍手が巻き起こり、アンコールを求める拍手へと変わっていた。

 

“アンコールありがとうございます。最後に一曲、ファンの方がずーっと待ちこがれていた曲を持ってきました。久しぶりに披露するので思いっきり楽しんで歌おうと思います”アンコールに歌われたのはyu-yuのデビュー・ミニアルバムの冒頭を飾る名曲「Forest Song」だ。森のなかに佇む妖精のように、体全体を使いながら生命の神秘を歌っていく。目を瞑ると、たちまちハンモックに揺られているような浮遊感だ。まさにこの曲はyu-yuのイメージを象っていて、一段と感慨深く歌っているように思えた。無邪気な笑顔を見せながら”おおきに”といってまたステージを去っていく。楽しい時間はあっという間である。何にも代え難いこの時間が、少しでも長く続いてほしいと願うばかりだった。

 

1-1

【セットリスト】
1. Always
2. 君とずっと・・・
3. 空の五線譜
4. 風のトビラ
5. やさしさで溢れるように(カバー)
6. 永遠
7. 大空へ
8. 絆の歌
ーアンコールー
9. Forest Song

 

yu-yu OFFICIAL WEBSITE

 

取材・文/宮川


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