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LIVE REPORT

2014/9/4

共に歩む道 LIFriendsライブレポート

LIFriends3

8月10日、あるバンドの自らの数奇な運命へ抗うための挑戦が始まった。皆さんは東京都羽村市をご存知だろうか。人口5万5千人という、大都市と呼ばれる東京都の中で最も少ない人口の市。そんな羽村市の高校で出会った5人が結成したのがメロディーラップ・バンドのLIFriends。彼らは今年2月8日に渋谷公会堂でワンマンライヴを開催……するはずだった。その日、東京は20年ぶりの大雪に見舞われ、交通機関がストップ。やむなくワンマンライヴは中止の憂き目に。自らの夢であった渋谷公会堂での初めてのワンマンライヴが目前で水の泡と化して、涙を飲んだ彼らだった。そんな彼らが決意して次に掲げた目標が、半年後の8月に渋谷公会堂の上を行くキャパの日比谷野外音楽堂を満員にするという挑戦。“頑張ることから逃げない”というテーマの下、『LIFriends チョーやべーTOUR2014 全国羽村化計画 “共に歩む道の先へ”』という全国ツアーを行ってきた。ファイナルの野音を成功させたい一心で、彼らはこの半年間、がむしゃらに走り続けてきたのだ。

しかし、ここに来て新たな試練に見舞われた。台風11号が上陸したのだ。お盆の時期では11年ぶりの日本横断。飛行機なども欠航が相次ぎ、当日来れなくなってしまったリフレンジャー(※LIFriendsのファンの呼称)も大量発生。こうも不幸が続くとたいていはネガティヴになるものだが、彼らは決して諦めず、頑張る事から逃げなかった。雷が起こらない限り中止をしない、雨天決行ができることで有名な野音。彼らはもちろん、初となるワンマンライヴへの挑戦を選択した。

岩越涼大

DA

どんよりした空の下、オープニングアクトを努めた東京スクールオブミュージック専門学校渋谷の在校生であるシンガーソングライター岩越涼大は、肩慣らしにその場にいたリフレンジャーを自らの楽曲「Wake me up!」などで盛り上げ、続く総勢21名のDA TOKYOダンス科によるパフォーマンスでは、LIFriendsの名曲「サマラブイリュージョン」にキレのあるダンスのフリを取り入れて魅了。会場を温めた。

LIFriends1

LIFriends2

荘厳なSEが鳴り響く。それと同時に小雨が降り出し、LIFriendsのメンバーが勢いよくステージへ飛び出してくる。メンバー同士で円陣を組み、オーディエンスの沸き上がる歓声を浴びたその瞬間、SHUNKUN(Vo)は突然走り出し、フロアの中央ステージに立った。徐々に強くなる雨に打たれるSHUNKUNの目の前に広がるのはCブロックエリア、そう、あの2月8日のワンマンライヴを楽しみにしていたリフレンジャーたちのいる席だ。渋谷公会堂のチケットは「絆チケット」と名前を変え、野音ワンマンの日はそのエリアで観覧できるようになっていた。普通であれば、もっとステージに近い前方のAブロックやBブロックでライヴを観たいがためにチケットを買いなおす人が多いかと思っていたのだが、リフレンジャーは義理堅くて人情味のある人々であることがよくわかった。どう見ても「絆チケット」を持つ人々の席のCブロックのほうが、明らかに人が多いのだ。これには驚いた。絆の強さを見せつけられた。すると、SHUNKUNが曇天の空に向かってタオルを掲げる。「空席は今日来れなかった仲間たちの席です。なのでひとつだけ、僕たちと約束してください。来れなかった仲間のためにも今日楽しんでください。俺たちとの約束だ!!」。1曲目に演奏された「共に歩む道」は本来、渋公ワンマンの最後に演奏されるはずだったという楽曲。仲間想いの彼らは、渋公にも野音にも来ることができなかったリフレンジャーのために演奏し、熱唱した。そこから間髪入れずに「アゲアゲええじゃないか!!!」、「ラブミーベイベー」など、アッパー・ダンスチューンを連続させると、バケツの水をひっくり返したかのような大雨に見舞われる野音。これにはSHUNKUNも「冗談じゃねーよ! なんで雨強くなってるんだ!」と叫んだ。しかし、そんな大雨にも関わらず、フロアはテンションアゲアゲでダンスをするオーディエンスで溢れかえっていた。

小雨になったところでMC。ここでは、台風が心配になって天気予報のアプリを5つもダウンロードしたFUNKY(Ba)の話や、コンビニで水着のお姉さんが載っているエロ本を読んでいたら「LIFriendsの方ですよね?」と声をかけられ、とっさに「そうです。FUNKYと言います!」と嘘をついたことを告白してFUNKYにどつかれた、HAYATO(Dr)の話など、盛りだくさんだった。途中、この日のために準備していたというウィッグとマントを使ってFUNKYとMAKOTO(Gt)が『アナと雪の女王』の劇中歌「とびら開けて」の口パク寸劇を行ったり、普段はほんわかとした雰囲気を漂わしているKAMI(Ky)が、「今日の俺はいつもと違うよ!」と言って、オープニングアクトのダンサーを数人引き連れてキレッキレのダンスを踊って会場を驚かせ、終始フロアから笑い声や歓喜の声が途絶えることはなかった。

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LIFriendsのためのちびっこ有志ダンサー、はむりんダンサーズと羽村市の公式キャラクターのはむりんを迎えて大所帯でダンスをした「スーパスマイラー」と「羽村ストリートラブストーリー」では、楽しそうにクルクル回るオーディエンスたち。温かい気持ちになったところで、しかし一時は小雨になったはずの天気が一転、大雨に。そんな天に向かって「俺たちは絶対に負けねー!!」と啖呵を切るSHUNKUN。すると、その声に反応したかのようにさらに雨風が強くなり、会場のいたるところで悲鳴のような叫び声があがった。FUNKYがとっさに「神様怒らせちゃったじゃんか!やめなよ!」となだめるが、SHUNKUNは「雨に濡れたほうが男は9割増しだ!」と言って笑いをとる一幕も。

「やまない雨なんてないんだ。この雨もいつかはやむ。台風なんかに負けるか!!」というSHUNKUNの一言で始まった「曇り空はやがて晴れる」。会場を沸かせたところで、続く新曲「ボクラノナツ」(※New Single『君の瞳にロックオン』のカップリング曲)では一転、爽やかな夏を感じさせた。そんなLIFriendsのパワーあふれる演奏に神様も酔いしれたのか、雨も徐々にやんできた模様。

初めてのドラムソロだというHAYATO。「手拍子いけますか!」の声に、力強いドラミングに合わせて手拍子が巻き起こるフロア。HAYATOはそんなフロアを嬉しそうに笑顔を浮かべながら見渡していた。そして、その流れでロックンロール・ナンバー「愛してやまないロックンロール」へ。腕を振り上げてジャンプして盛り上がるフロアだったが、途中で演奏を止めたFUNKY。「お前がちゃんと腕を真っ直ぐ挙げないからお客さんの腕の振り上げが出来ていなかった」とFUNKYにいちゃもんをつけられたSHUNKUN。そのまま喧嘩を始め、最終的にはダチョウ倶楽部のネタの流れに沿ってキス。これには会場も大歓声が起こった。その後、「できました!」と言ってギターを見せるMAKOTO。実はこの日のためにESPギタークラフト・アカデミー東京校とコラボしてMAKOTOのギターとFUNKYのベースを製作していたのだ。完成したギターとベースを見て、リフレンジャーも大喜びであった。

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ここで、MAKOTOの絶妙な振りによってゲストアーティストの新里宏太が迎え入れられる。じつはこの2組、「LIFriends feat. 新里宏太」という形で8月20日(水)に発売されるNew Single『君の瞳にロックオン』でコラボレーションすることになったのだ。そんな経緯もあり実現された新曲「君の瞳にロックオン」を初披露。新調されたMAKOTOのギターとFUNKYのベースも光り輝く中、MCで新里に「蝉の声がする」とまで言われてしまったSHUNKUNのしゃがれつつも安定したパワフルヴォイスと、新里のクリアなハイトーンヴォイスという真逆の声質をした2人の美しいハーモニーと爽快なロックナンバーに、オーディエンスは魅了された。

野音ワンマンも残すところあとわずか。SHUNKUNが残り何曲なのかを告げるカウントダウンを始める。ラストスパートだ。「恋をしようよ!Yeah Yeah」ではピースサインを高く上げる振り付けで盛り上げ、情熱的なダンスナンバー「灼熱ランデヴー」ではSHUNKUNとKAMIが並んでオーディエンスと絶妙な振り付けによる掛け合いを炸裂。これまた新曲の「Party Rock Star」では、ダンスナンバーにふさわしい手拍子ジャンプが起こる。そして、本編最後の「サマラブイリュージョン」は、まさにこの夏にぴったりなナンバーだった。

曲が終わっても鳴り止まない会場の「もう一回!」コール。その声に応えてメンバーがサビをもう一度演奏して盛り上がるオーディエンス。これを2回も繰り返すと、3回目はさすがに時間を気にしだすメンバー。野音と言えば、日比谷公園の閉演時間の関係で演奏の音を出していい時間が決まっていることで有名だ。とっさに舞台監督をステージに呼んでその場で相談するメンバー。すると、コワモテの舞台監督の表情が一変。「もう一回♪もう一回♪」と可愛らしい笑顔でオーディエンスのコールをマネして許可を出した。これには会場も歓喜。最後にもう一度サビを演奏して盛り上がり、本編はこれにて締めくくられた。

アンコールの声の代わりに、フロアから歌が聴こえてくる。この歌詞はこの日の1曲目に演奏された「共に歩む道」のサビの歌詞だ。いつしか歌声は大きくなり、会場全体で大合唱。その声に導かれるように現れるLIFriendsのメンバー。「光になってくれたのも、背中を押してくれたのも、明日を頑張ろうって思えたのも、リフレンジャーのおかげでした。ありがとう」と言うSHUNKUN。続けて、「声に出して夢が叶うなら、俺は大声で声に出してやる。来年、俺たちは日本武道館でライヴをするぞ!!」と新たな目標が掲げられ、オーディエンスは歓喜していた。LIFriendsとリフレンジャーが共に歩む道は、これからも続いていく。次に目指す会場は日本武道館。最後に「みんなの人生の中にLIFriendsを入れてくれてありがとう!」とリフレンジャーへ最大級の感謝の言葉がSHUNKUNから述べられ、これからも頑張ろうという想いを込めたアンコール曲「仲間」が演奏された。この頃には、台風は遠くへ過ぎ去り、野音には強い絆で結ばれた彼らとリフレンジャーの笑顔で満ち溢れていた。

 

~SET LIST~

 

M1 共に歩む道

M2 笑顔の作り方

M3 アゲアゲええじゃないか!!!

M4 ラブミーベイベー

M5 大バカ野郎

M6 スーパスマイラー

M7 羽村ストリートラブストーリー

M8 曇り空はやがて晴れる

M9 ボクラノナツ

M10 愛して止まないロックンロール

M11 Hands Up!!

M12 君の瞳にロックオン

M13 恋をしようよ!Yeah Yeah

M14 灼熱ランデブー

M15 Party Rock Star

M16 サマラブイリュージョン

EN1 仲間

 

取材・文/ちゃい、嵐子


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