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2013/7/20

哀しい男よ、愛深き故に…

 

どうも、宮川です。窓を開けたら熱波に怖じ気づく辛い日々ですね。そんな四畳半もない万年床で悶々とするのも辛く感じたので、都内の劇場で『華麗なるギャツビー』という映画を観に行きました。

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いやぁ凄かったです。何が凄いってその映像のクオリティに終始圧倒です。ニューヨークのビル群を丹念に描いた描写、貴族達が乱痴気騒ぎをする豪華なパーティー・シーン、主人公とヒロインの甘酸っぱい恋模様を繊細に彩る演出…。ひとつひとつが丁寧に、時には豪胆に描かれていて思わず固唾を呑んで画面を見守りました。

この物語の大筋なんですが、トビー・マグワイア演じるニック・キャラウェイという男が、隣の家に住む大金持ちのギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と出会い、だんだんと仲を深めていくうちに彼の野望を知ることになる。それは「ある女」に出会って結婚すること。その女とはニックの友人の妻、そしてまたいとこの子供であるデイジー(キャリー・マリガン)だった! …という物語の切り口なんですが、泥沼の愛憎劇というわけでもなく、ギャツビーのあの手この手の求愛模様を楽しむものでもなく、悲しくて切ないピュアなラブ・ストーリーを描いた作品なのです。

なによりキャスト陣の演技力に感嘆でした。主人公を演じたのレオナルド・ディカプリオ!  ヒロインは僕の好きなイギリス人女優のキャリー・マリガン。まずこの2人の「魅せる」演技が、とてつもなく想像力を掻き立てるんです。レオナルドの悶絶とした表情で過去を話すシーンでは、彼の紆余曲折とした人生が浮かび上がってくるし、キャリー・マリガンがある出来事を犯してしまったときの沈痛な表情は、どこか裏がありそうな雰囲気が漂ってきます。観る人に想像を喚起させる「含み」のある演技がとても巧いなぁと思いました。

この作品はアメリカ文学の金字塔「グレート・ギャツビー」が原作となっています。そちらの翻訳本も思わず購読しましたが、美しい世界観を活字で味わうことによって、より深く作品を楽しむことができました。過去に何度も映画化されてきましたが、世間的には失敗と評されてきました。実写化不可能と言われてきた作品を、現代のフィルム技術を用いて豪勢にアップデートされた今作は、『華麗なるギャツビー』の決定版といえるのではないでしょうか。

 

宮川


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