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SPECIAL

2017/3/16

私を変えた作品の名は。

Ktop

冬が終わり、春を迎える頃には、それぞれが新しい一歩を踏み出す。
誰しも、未来への漠然とした不安に悩んだり、押しつぶされそうになったことがあると思います。
そんな大きな壁を前に立ち止まったとき、自分を変えてくれた作品に出会い、
小さくても確かな一歩を踏み出せたからこそ、私たちは今ここにいる。
そんなM-Bug編集部員たちを変えてくれた音楽や映画、本をご紹介します。
紹介する作品たちが、あなたを変える何かになりますように!

構成:川原 大司、デザイン:岸 実理

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K01

『太宰治全集 全13巻』 太宰治
太宰治やそのファンについて、ある作家が軽蔑をしていましたけれど、「何と言われようと太宰が好きだ!」と公言する著名人がここ数年多く登場して、私もこの時代の流れに、いざ! 生粋の根暗だった私はあの頃、誰も信じられないという意識に罪悪感を抱くものの、変わるつもりもありませんでした。どうしようもない惰性に押しつぶされそうになったときは、筑摩書房のこれを虚ろげにめくり、「理解者がいる!」と安堵したものです。いくつもの作品を読破するうち、言葉の錬金術を会得していた太宰に憧れるようになりました。こんなふうに私の気持ちを伝えたい。本当は誰をも信じたい。その決意から通い始めたのはなぜかジムでした。半年で行かなくなりました。戦時中、太宰と会った祖母が羨ましいです。溝部尚子

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K02

『ノルウェイの森』 村上春樹

日本が世界に誇る小説家、村上春樹のベストセラー。主人公のワタナベと恋人の直子、そして同級生の緑。物語は、彼女たちをめぐるワタナベの回想から幕を開ける。一般的には恋愛小説としてカテゴライズされているのだが、この作品のテーマは恋でも愛でもなく、“喪失”だ。ただ一瞬の光を放ち、あとは破滅を待つばかりに静かに沈んでいく、そんな作品。高校生のときにこの作品に出会い、“喪失”からたくさんのことを学びました。小説からの一節「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」。死について考えもしなかった僕にとっては衝撃の言葉であり、生まれて初めての文学体験でした。滝田優樹

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K03

『リップヴァンウィンクルの花嫁』 岩井俊二

それは、愛のお話。といっても、巷に溢れる若者主演の恋愛映画とはわけが違う。だからといって「どんな愛か?」 と問われると、とてもここだけでは書き尽くせない、深い深い愛。その愛は、監督・岩井俊二の作品に対する愛でもあるし、黒木華や綾野剛、Coccoをはじめとする豪華キャストの自らの演じた役に対する愛でもある。そしてもちろん、劇中のいたるところで渦巻く愛のことでもある。多方向に放出されている愛が、観ている者に突き刺さったとき、僕たちはどんな気持ちになればいいのか。“愛”とは何なのか?  “幸せ”って何なのか?  そんな根本的な問いを突きつけられる、美しくも辛い180分。この感受性がわかる人と、僕は友達になりたい。室井健吾

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K04

『マルホランド・ドライブ』 デヴィッド・リンチ

大人気海外ドラマ『ツインピークス』の製作指揮を務めたことでも知られる鬼才デヴィッド・リンチ。本作品はそんな彼の超難解ミステリー映画であるのだが、この問題作とは大学時代の映画ゼミの研究課題として出会い、自分の中の映画の見方を変えた。娯楽としての映画の側面ではなく、芸術としての在り方を提示してくれたのだ。しかし、何度も見返し、リンチにより提示されたヒントをもとに構造分析や考察を行わなければ謎解きは不可能である。ネタバレになるので、あえて内容については語らないが、キーワードは「現実」、「夢」、「回想」だ。いたるところに鍵は落ちている。ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリングの演技も見どころだ。滝田優樹

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K05

『栄光の架橋』 ゆず

つらいときにいつも聴き、背中を押してくれる歌です。この曲は夢に向かってまっすぐ書かれています。ただがむしゃらに頑張れと背中を押すのではなく、自ら勇気が湧くというか……奮い立たせてくれるような曲です。お二人が裏で想像もできない努力や苦悩をして、その想いを、そのまま歌詞にぶつけたからこそ出来た曲ではないかと思います。北川悠仁さんが以前、「ゆずは多くの人に支えられて活動も順調に進んできているけど、その裏でいろんな葛藤があり乗り越えてきたものがたくさんあった。そういうことを歌にすればいいと思った」と仰っていました。ライブでこの曲を聴いたとき、人生で初めて歌で泣きそうになりました。なんで、こんなに心に染みる曲なんだろう。私自身、永久に大切にしたい一曲なのでみなさんにも聴いていただきたいです。岸実理

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K06

『時を刻む唄』 Lia

テレビアニメ『CLANNAD 〜AFTER STORY〜』のOPテーマに起用されたこの曲。『CLANNAD』のシナリオを手掛けた麻枝准が作詞作曲を担当しているだけにアニメの世界観や主人公の心情とリンクし、聴いていると数々の名シーンが蘇ってきて自然と涙が溢れてくる。アニメを見てから聴くことをオススメするが、『CLANNAD』のテーマである家族や人との繋がりがこの曲にも描かれており、大切な人への切なくも強い想いはアニメを知らなくても共感できるはず。僕自身、大切な人をなくし、立ち止まっているときに新たな一歩を踏み出す勇気をくれ、強く生きていこうと思わせてくれた一曲。なので、今何かを失い立ち止まっているのであれば、ぜひこの曲を聴いてほしいです!川原大司

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K07

『ゴッホ』 ドレスコーズ

2013年11月6日。その日は、心待ちにしていたドレスコーズの2ndアルバム『バンド・デシネ』の発売日だった。意気揚々とCDを買いに行き、自室のCDプレーヤーにセット。再生ボタンを押した。聴こえてきたのは、ヴォーカル・志磨遼平のラップ。ド肝を抜かれた。その凄い勢いのラップに被さる、ドラム・菅大智の変則的なプレイ。呆気にとられている内に、ベースとギター、ピアノまでもが加わり、壮大なサウンドへ。「志磨遼平が何かを伝えようとしてる!」。僕は直感的にそう思った。2回目は歌詞カードを見ながら聴いてみた。そこで僕は、今でも座右の銘にしている歌詞に出会ってしまったのだ--“右か左か選ぶ時がおとずれたら  めんどうになりそうな方に進め  ベイビー”。室井健吾

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K08

『ただ前へ』 Hey!Say!JUMP

この曲はHey!Say!JUMPの13枚目のシングル『ウィークエンダー/明日へのYELL』通常盤/初回プレス仕様に収録されています。ときには立ち止まってもいいんだ、それは弱さじゃないよ。この苦しみもいつかきっとあなたの糧になって花開く日がくるからね。だから一歩一歩歩いていこう--そんなふうに、立ちはだかる壁や先の見えない未来に悩み苦しむとき、優しく寄り添って励ましてくれます。私も実際に就職活動や将来への不安で、何度もこの曲にすがり支えてもらいました。カップリングにしてしまうにはもったいないほどの曲で、きっと様々な境遇の人の心に染みることでしょう。ジャニーズにはあまり興味がないという方にもぜひおすすめしたい一曲です。山本理紗

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K09

『Happy★Pretty★Clover』 Rhodanthe*

アニメ『きんいろモザイク』のメインキャストを務める西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央の5人で結成された声優ユニット、Rhodanthe*が歌う映画『きんいろモザイク Pretty Days』のOPテーマ曲。キャラクターたちの絆やアニメのストーリーをなぞるような歌詞と、キャッチーでアップテンポなメロディは相性が抜群で思わず笑顔になってしまう。“絶対スマイル! 問題ない! そうやって来たんだよ”、“一人ひとり 違う形が スペシャルなんだよ”というフレーズは落ち込んでいるときに励ましてくれるようで、自分は自分なんだから笑って頑張ろうと思えてくる。アニメを知らなくても家族や友達、恋人同士で共感できる歌詞なので、ぜひ大切な人と聴いてほしい一曲です!川原大司

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K10

『Pray』 Tommy heavenly6

学校が終わって友達と遊んだ後、親の帰りを妹と待つ間にふと、テレビをつけたときにその曲と出会いました。私を変えた一曲。それは、Tomy heavenly6の「Pray」です。この曲は、アニメ『銀魂』の主題歌として流れていました。これをきっかけに、どんどんアニメの魅力にハマっていきました。Tommy heavenly6らしい疾走感あふれるサウンドに合わさる切ない歌詞とメロディーが秀逸で、一度聴いたら耳から離れない魅力がある。Aメロの低さと、一気に高揚するサビとのコントラストが本当に気持ちいい楽曲です。いわゆる“アニソン”寄りの曲ではありますが、そんなキャッチーさと躍動感、そしてアッパーな雰囲気がまた新鮮でかっこいい。特に私は、サビ部分の「運命から逃げない、信じることをやめない」というメッセージが好きで、とても気に入っています。中村優花


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